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イノベーションを創出 ナノテク・MEMS

日本MEMSのファンドリサービス
試作から量産まで幅広く対応
200mmウェーハでの量産も可能

小林行雄/編集部

日本MEMSは,MEMSファンドリサービスの提供,MEMS向けシミュレーションソフトウェアの提供,またMEMS用製造装置・中古製造装置の販売など,MEMSに関して多岐にわたるサービスの提供を行うMEMSトータルソリューションカンパニーを目指している。そのような同社の中において,ビジネスの中核となっているのが,国内外のパートナーを活用したファンドリビジネスである。本稿では同社のファンドリビジネスについて話を伺った。

増えるファンドリの案件

1. 国内外のパートナーを活用

図1 日本MEMSのビジネススキーム
図1 日本MEMSのビジネススキーム

日本MEMSはMEMSファンドリのサービス,MEMS向け設計・シミュレーションソフトウェアの提供やMEMS用製造装置,コンサルティングなどを手掛けている。MEMSファンドリサービスは同社のビジネスの中核となっており,近年ではMEMSファンドリを活用する案件が順調に増えつつあるという。

ちなみに,MEMS製品の製造プロセスは標準化されていない。一つひとつ異なる顧客の要求に応えるためには,ウェーハサイズの違い,個別の特殊プロセスへの対応など,1社ですべての顧客に対してビジネスを行うのには自ずと限界が見えてくることとなる。そのため,同社では自社の持つネットワークを最大限に活用することで,国内外の10を超すパートナーとアライアンスを構築,国内のみならず韓国や台湾,シンガポールなどのMEMSファンドリーを活用して試作から量産まで幅広く対応したサービスの提供を行っている。

2. 台湾のファンドリを活用


▲台湾のMEMSファンドリの内部風景

同社が提供するMEMSファンドリサービスの中でも特に顧客に勧めているのが台湾のMEMSファンドリの活用である。「台湾の方がMEMS分野に投資を行っており,製造の面においては日本と比べて環境が良い」と同社代表取締役の戸田和男氏は語る。

日本におけるMEMSの製造ラインというと,研究開発を中心に行うことを念頭に入れたものが大半である。そのため,製造ラインは試作には向くが大量生産には向かないのが多いのが実情である。台湾ではメーカーによってはMEMS専用のラインを用意しており,150mmや200mmウェーハを用いてMEMSの量産が行われるなど,日本との差は歴然としているという。

また,台湾のファンドリを活用することはコストメリットの面でも有利となるという。戸田氏は「国内MEMSファンドリメーカーと比べるとかなり安くできる」と語る。加えてデリバリの面でも日本と近いため,時差的な問題は実質的にはほとんどない。

3. 台湾MEMSファンドリの国内総代理店

同社は二つの目的を持ってビジネスを行っている。一つは先述した製造プロセスの違いに対応するための幅広いネットワークを構築すること。もう一つは,そのネットワークを活用し,いつでも量産が可能なファンドリサービスの提供を行うことである。そのため,同社は台湾のMEMSファンドリメーカー「APM社」などの国内総代理店を務めている。

また,同社では自社のプロセスエンジニアを活用することにより,ファンドリの窓口としての対応も行っている。

多岐におよぶ提供サービス

1. 試作から量産まで幅広く対応

図2 日本MEMSが提供するファンドリサービスの一種IPD
図2 日本MEMSが提供するファンドリサービスの一種IPD

日本MEMSが提供するファンドリサービスは,同社が提携しているMEMSファンドリの数だけ存在しているといっても過言ではない。そのため対応するウェーハも50mmから200mmまでと幅広いものとなっている。さらに,ユーザーからのMEMSの設計,シミュレーションの相談やMEMSのテスト,パッケージ(組み立て)にも対応している。

2. 特徴的なサービスも提供

幅広いサービスを提供する日本MEMSであるが,興味深いのが,完成したLSIの上にMEMSを構築するサービスや,IPD(Integrated Passive Device in Si substrate)と呼ばれる手法で,Si基板上にキャパシタやインダクタンスを形成し,その上にベアチップを搭載するパッケージングサービスである。この方法を活用してDCM(Direct Chip Module in MCM package)と呼ばれるパッケージングサービスも行っている。

より多くのメーカーと提携を組む

最近では,米国など海外のカスタマから,日本でならできるのではないかといった問い合わせも徐々に出てくるようになってきたという。同社としても「将来的には海外からの案件についても対応して行きたい」(先述の戸田氏)という。ただし,先述のとおり日本のMEMSファンドリは試作,開発対応のファンドリが多く,量産には向かないのがネックとなっている。また,半導体製造ラインの余剰設備を活用することが多く,積極的に投資を行って新しい事に挑戦するといったことがなかなか難しいのが実情であるという。そのため,同社では,MEMSの可能性を拡げるため,それぞれの分野で得意なメーカーと今後も組んでいくことで,より多くのファンドリサービスの提供を行っていく他,量産で先行する台湾のMEMSファンドリについても積極的に紹介していくことで,半導体が得意でないカスタマや設備を用意することが困難なカスタマに対しても一緒にMEMSの開発,量産を行う体制を整え,ひいてはMEMS産業全体を発展させることができればと考えている。


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