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SEMICON Japan 2007 進む半導体産業の構造変化

07年は緩やかな成長に留まった半導体市場
アプリケーション,戦略の多様化が
半導体産業に確実な変化をもたらす(2)

清水聡/調査部

東芝

1. 07年度は1桁成長に

東芝が発表した06年度(07年3月期)の半導体売上高は,前年度比25.2%増の1兆2981億円と高成長を記録した。内訳は,ディスクリートが17.6%増の2608億円,システムLSIが同19.1%増の5460億円,メモリが同37.7%増の4913億円となっており,フラッシュメモリを中心とするメモリ製品が大きく牽引した。なお,07年度(08年3月期)計画については,半導体売上高は同4.0%増の1兆3500億円を見込んでいる。内訳は,ディスクリートが同3.5%増の2700億円,システムLSIが同1.1%減の5400億円,メモリが同9.9%増の5400億円としており,システムLSIのマイナス成長,価格下落が著しいメモリの伸び率鈍化が,ブレーキとなる見込みだ。

2. フラッシュ中心の設備投資

一方で,同社の設備投資を見てみると,07年度は,前年度の3550億円から240億円減額の3310億円が見込まれている。投資の中心は,NAND型フラッシュメモリの増産だが,パワー半導体や需要が増加しているCMOSイメージセンサなどの増産も行っている。
東芝とSanDiskは,東芝四日市工場(三重県四日市市)で300mmウェーハに対応したNAND型フラッシュメモリの新製造ラインとなる第四製造棟を建設,07年12月から稼働を開始する。同製造棟は,フル生産時にはLSI製造棟単独の生産能力としては世界最大級の月産21万枚程度に達する見込み。現在,四日市工場の生産能力は1〜3棟合計で月産約20万枚だが,第四棟の完成で生産能力がほぼ倍増することとなる。
東芝 代表取締役社長 西田厚聰氏は,「当社は技術力で世界をリードしてきたが,今回の建設により,生産能力においても世界トップレベルになった。08年にはトップシェアが視野に入る」と語っている。また,次の第五製造棟については,建設候補地と規模を07年度中には決定するとしており,投資額が5000億円以上と言われる同製造棟が,どこで立ち上がるのか,大いに注目が集まる。
一方,パワー半導体については,石川県能美市に建設していたパワー半導体の新工場で量産を開始した。設備については,今後も順次導入していく計画であり,10年度までには総額550億円を投資する。なお,これにより,新工場は月産6万枚(200mmウェーハ換算)まで,生産能力を拡大することが可能となる。さらに同社では,CMOSイメージセンサの増産を,半年前倒しする計画も発表している。現在の月産1200万個体制を,07年度下期に月産1500万個へ引き上げる。

ルネサス テクノロジ

1. 07年度は700億円を投資

ルネサス テクノロジでは,07年度の設備投資として700億円を計画している。うち200億円が300mmウェーハラインの増強に充てられる。現在,同社の300mmラインの生産能力は,那珂工場の月産1万6000枚となっているが,市況を見ながら増強を行う計画。生産デバイスのLCDドライバICは,価格下落が激しく,今後も競争の激化が予想されることから,微細化の進展と併せて,300mm化もさらに加速させるとしている。

2. マイコンの新CPU開発に着手

同社は,世界トップクラスのシェアを獲得しているマイコン事業の強化に向けて,新CPU開発に着手した。設立5年目にあたる区切りとして,同社既存の16および32ビットCISCマイコンに搭載されている四つのCPUの展開版である16ビットと32ビットの次世代CISC CPUを開発する。マイコン事業は同社のコア事業であり,その中核となる今回の新CPU開発により,競争力を強化した製品を提供することで,さらなる事業強化と事業の拡大を図っていく。なお,新CPUは,プログラムのコンパクトさを示すコード効率,処理性能,消費電力,コストメリットの総合性能で世界トップを目指す。特に既存の16および32ビットCISCに比べ,プログラムサイズを約30%削減し,CPU消費電力を約50%低減する予定であり,システムの大規模化・複雑化,プログラムサイズの縮小化に対応可能となる。新CPU搭載製品は,09年第2四半期に製品化する計画となっている。

3. アジアでの事業拡大目指す

ルネサスは,ASEANおよび台湾市場での事業拡大を目指し,事業体制の再編を進めている。シンガポールの販売会社と応用技術会社の2社を統合すると同時に,シンガポールの応用技術会社の台湾支店を台湾の販売会社に統合。具体的には,シンガポールにある販売会社の「Renesas Technology Singapore」と応用技術会社の「Renesas System Solutions Asia」を統合。Renesas System Solutions Asiaの台湾支店を台湾にある販売会社の「Renesas Technology Taiwan」に統合する。ASEANおよび台湾の両地域のローカル顧客に対する事業展開を強化し,海外向け事業の拡大を図っていく。

NECエレクトロニクス

1. 生産体制の見直しを推進

厳しい経営状況が続いているNECエレクトロニクスでは,生産体制の見直し・再編を急ピッチで進めている。国内の前工程生産ラインにおいては,製品群別に専用ライン化を図るとともに,現在4拠点(山形,関西,山口,九州)9ラインに分散している国内生産ラインを,最終的には4拠点4ラインに集約する。NEC山形は,先端SoC製品の生産拠点と位置付けられ,200mmラインを閉鎖し,300mmラインに集約。NEC九州はフラッシュマイコンや車載マイコンの中核工場として,200mmラインに集約,150mmラインを閉鎖する。NEC関西はLCDやプラズマなどのドライバICやパワーデバイスなどの個別半導体の生産拠点とし,150mmラインを閉鎖し,200mmラインに集約する。NEC山口については,汎用マイコンや汎用ASICおよびLCDドライバICの生産拠点と位置付け,現状の150mmラインでの生産効率向上を図る。NEC山形の200mmライン,NEC関西およびNEC九州の各150mmラインは09年度までに閉鎖。なおNEC山形およびNEC関西の125mmラインに関しては,供給責任と継続生産による収益のバランスを考慮し,最終閉鎖時期を決定する。

2. 化合物半導体事業の強化

同社は,GaAsなどの化合物やSiを材料とする光半導体などを扱う化合物デバイス事業の強化を図っている。同強化計画では,特にフォトカプラおよびGaAsスイッチICを注力製品と定め事業拡大を図り,両市場において,いずれも世界市場でのトップシェアを目指す。そのための施策として,今後1年間でフォトカプラ10品種,今後2年間でGaAsスイッチIC20品種を市場に投入する。また,フォトカプラの生産能力を2年以内に月産2億個へ,GaAsスイッチICの小型・薄型品の生産能力を07年度後半に06年度比10倍に増強する。これらの施策により,11年度には化合物デバイス事業の売上高を06年度の約1.5倍となる750億円達成を目指す。

3. 中国での販売体制拡大を視野に

同社は,100%子会社であるNEC Electronics Chinaが四川省成都に支店を新設し,技術支援をはじめとする営業活動を開始した。ケーブルTV放送受信用セットトップボックスなどデジタルAV向けの開発活動を中心とした事業を展開する。なお,今回の支店設立により中国におけるNECELの販売拠点は計5拠点となる。同社は10年度までに中国地域での売り上げ1000億円を目指していく。

エルピーダメモリ

1. 第1四半期は増収減益

エルピーダメモリが発表した07年度第1四半期(07年4〜6月)の決算概要によると,売上高は前年度比18.9%増の1094億8200万円,営業利益は同59.0%減の37億4300億円,経常利益は同49.3%減の37億3600万円,純利益は同120.3%増の145億5400万円となった。なお,純利益には200mmウェーハ生産装置の売却を含む固定資産売却益221億円が含まれる。分野別では,国内外における携帯電話での採用が進んだことにより,ノン・コンピューティング向けが同9.6%増の606億円と堅調に推移したものの,コンピューティング分野(PCおよびサーバ向け)はDRAM価格の落ち込みの影響を受け,同45.0%減の489億円となった。

2. 生産能力増強を上方修正

同社は,広島エルピーダメモリにおける300mmウェーハの生産能力増強を,当初計画から1割程度上方修正すると発表した。当初計画では,07年12月までに月産8万5000枚としていたが,1万枚上乗せし,9万5000枚とする計画。これにより設備投資額は,当初計画の1300億円から1600億円に上方修正している。
なおエルピーダは,広島エルピーダメモリを吸収合併することを決定した。一体化により,開発,製造,販売の一元管理体制を構築し,経営資源の効率的な活用による事業基盤の強化を図るためとしている。合併の方法は,エルピーダメモリを存続会社とする吸収合併方式としており,広島エルピーダメモリは解散される。

沖電気工業

1. 半導体売り上げはマイナス成長

沖電気工業が発表した08年3月期の中間決算によると,半導体セグメントの売上高は,前年同期比4.5%減の684億円となった。これにより,通期の売上高を下方修正し,1400億円としている。
なお,同社の半導体事業においては,半導体単体のビジネスから脱却し,グループ保有の技術とのシナジー効果によって高付加価値化が図れる,エレクトロニック機能モジュールへの転換を目指している。また,システムLSIやロジックLSI事業の構造改革を推進し,強みのある商品へのリソースシフトを行うとともに,不採算事業を縮小する。また,これらの事業構造の変革に対応し,生産構造の見直しも含めた自社拠点のさらなる効率化とファブフリー事業の強化を図る考え。

2. 設備投資を抑制

これにより同社は08年度以降の半導体設備投資を06年度比でほぼ半減となる年間120億円程度に抑える方針を固めた。同社は06年度に54億円の連結営業赤字(前年同期は106億円の黒字)に陥って以降,プリンタでも不振の北米事業で大企業向け事業から撤退するなど,低収益事業の見直しを徹底し収益回復を目指している。

表2 国内主要半導体メーカー10社の半導体売上高(単位:億円,一部生産高,当社推計含む)

メーカー名 02年度 03年度 04年度 05年度 06年度 07年度
(見込み)
東芝 8286 8988 9389 10370 12981 13500
ルネサス テクノロジ 9800 10024 9060 9526 9500
ソニー 3400 4000 4550 4900 7800 8400
NECエレクトロニクス 6525 6716 6798 6191 6597 6700
富士通 3981 4274 4682 4601 4735 5300
エルピーダメモリ 632 1004 2070 2321 4900 5000
松下電器産業 4100 4800 4760 4580 4382 4770
ローム 3256 3310 3454 3628 3951 4000
三洋半導体 2405 2625 2168 1936 1813 1834
沖電気工業 1192 1322 1507 1507 1455 1500
合計 33777 46839 49402 49094 58140 61004


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