SEMICON Japan 2007 進む半導体産業の構造変化
半導体材料の市場動向
日本メーカーが増強を進める
国を挙げての新素材開発も始動(1)
前川裕志/編集部
現在,半導体産業の課題として材料の研究開発の急速な複雑化とリスクの増加への対応が挙げられる。今や,材料とトランジスタのプロセス・インテグレーションがLSIの性能を上げるために欠かせない牽引力となっている。それに伴い,半導体研究開発費も急増しており,06年の450億ドルから12年には1000億ドル規模に達するとも言われている。
各社増強を進める
日本は,半導体材料において世界でトップをひた走っている。300mmウェーハの製造を手掛ける主要ウェーハメーカーの中で,売り上げ規模トップクラスのシェアを誇る信越半導体とSUMCOグループを合わせた生産能力は300mmウェーハにおける全生産量の約7割に達する。また,半導体フォトレジストではJSRが東京応化工業と熾烈なトップ争いを繰り広げている。半導体フォトマスクでは,凸版印刷がトップを獲得し,第2位の大日本印刷と合わせると世界シェアの半分以上を占める。さらに,化合物半導体ウェーハでは住友電気工業を筆頭に日本メーカーが市場をほぼ占有している状態である。
しかし,画期的な新素材が開発されれば,この状況も一変する可能性があり,それぞれのトップメーカーも安穏とはしていられない。そのため,各社増強および新材料の開発に向けて設備投資額の増大を図っている。
信越半導体は,世界最大のSiウェーハメーカーとして,拡大する全世界の需要に対応するため,300mmウェーハの早期増産に取り組んでいる他,リスク分散のため,国内および米国の計5か所の生産拠点で設備増強を行い,06年9月の月産70万枚体制から,予定を前倒しして07年夏,月産100万枚体制を構築した。今後も需要に応じ,同社の投資基準に合致するさらなる増強を行う他,200mm以下のウェーハでは,高品質化および特殊用途向けなどの差別化により競争力の強化に注力するという。
また,SUMCOは,引続き旺盛な300mmウェーハの需要に応え,伊万里300mm第4工場の増強を進めるとともに,第5工場の土地を確保し工場建屋の建設を進めている。300mmウェーハの生産能力は,06年10月に連結子会社化したコマツ電子金属(現SUMCO TECHXIV)を含め07年1月当時,月産62万枚となっているが,さらなる量産体制の構築のために09年6月末までに,月産140万枚へと逐次生産能力を拡張して行くこととしていた。しかし,08年1月期の中間決算において,連結子会社であるFORMOSA SUMCO TECHNOLOGYの生産能力を08年春までに完成予定の月産10万枚から,同年秋までに月産16万枚体制へ増強することを発表した。この計画によりSUMCOグループ全体の生産能力は,09年6月末で従前計画より,プラス6万枚の月産146万枚となる予定である。
Siウェーハの原材料となるpoly-Siで大きな世界シェアを獲得しているトクヤマも攻める事業を展開し,徳山製造所でのジーメンス法によるpoly-Siのプラント増設(年産3000t:09年春完成予定)を計画通り進める一方,太陽電池用poly-Siの新製法について実証プラントによる技術確立にも注力している。

図1 ウェーハメーカー各社の300mmウェーハ生産量推移
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08年には生産量の過半数が300mmに
1. 今後も300mmの成長は続く
300mmウェーハは,01年より量産が開始されたが,年を追うごとに全ウェーハに占める割り合いを上昇させてきている。国内における生産量を見ると06年の生産量は前年比47.3%増の109万4970m2で全ウェーハに占める割り合いは39.8%,07年では同35.7%増の181万4300m2に達するものと推測され,全ウェーハに占める割り合いは47.3%へと上昇する。この傾向は08年以降も続き,早くも08年には全ウェーハに占める割り合いが55%と,過半数に達するものと予測される。
一方の200mm以下のウェーハも,いずれの口径についても増産が続いている。最も成長率が高いのが200mmウェーハであるが,同ウェーハの生産量は06年が同14.3%増の104万6886m2,07年が同4.2%増の109万1000m2と徐々に成長率は鈍化しつつある。
今後もデバイスメーカー各社の設備投資は300mmウェーハを中心に行われることもあり,300mmウェーハが2桁増の高い成長率を維持するものの,200mm以下のウェーハは,成長はするものの低調に推移することが予測される。
2. 09年でも需給逼迫
現在,Siウェーハの増産とともに,その原材料となるpoly-Siも増産が進められており,一部では09年には需給の逼迫感は一息つくという見方もある。しかし,ウェーハメーカーの中には,太陽電池の増産が半導体以上の速度で進められていることから,09年に入っても需給逼迫は続くとする見方をしているところもある。ただし,各社ともに,生産を維持できるだけのpoly-Siを長期契約という形で確保しており,影響は軽微であると思われる。

図2 国内Siウェーハ生産量推移
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