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SEMICON Japan 2007 進む半導体産業の構造変化

半導体材料の市場動向
日本メーカーが増強を進める
国を挙げての新素材開発も始動(2)

前川裕志/編集部

化合物半導体は日本が占有

06年の化合物半導体ウェーハの世界市場は,前年比10.7%増の7億9500万ドル,日本市場は同16.5%増の416億円となった。携帯電話やDVDなどのデジタル家電が好調な一方で,サファイア基板,GaAS,InPなどの価格下落が進み,利益確保が難しい状況である。このような状況から抜け出すため,メーカー各社は,新材料への取り組みを強化しており,自動車向けなどパワーデバイス用のSiC基板の他,次世代DVDの光ピックアップ用青紫色半導体レーザや一般照明用LED向けGaN基板の立ち上げなどが始まっている。
住友電工は,GaAsが売り上げの約半分を占め,GaNの量産も手掛ける。06年は3Gの携帯電話や無線LANでGaAsの需要が拡大し,過去最高の売り上げを記録した。GaNは伊丹製作所で1000枚/月の生産を行っているが,青紫色半導体レーザ向けの旺盛な需要に対応し生産能力の倍増を計画している。
日立電線は,GaAsを中心に事業を展開しており,GaAs単結晶ウェーハ,GaAsエピタキシャルウェーハなどを電子デバイスやオプト向けに供給している。06年は,電子デバイス,LED携帯電話向けが好調に推移し,特に高周波デバイスが回復し売り上げ増となった。GaNの開発も進んでおり,サファイア基板とGaN成長層との間に網目構造をもつ金属の薄膜を挟み込んで結晶成長を行うことで,GaN基板のダメージなく大面積のGaN結晶を簡単に剥離できる「ボイド形成剥離法」を開発し,同製法による高品質なGaN基板の生産・販売を開始している。

図3 化合物半導体ウェーハの世界市場推移
図3 化合物半導体ウェーハの世界市場推移

 

最先端フォトマスクの開発

図4 急増する半導体研究開発費
図4 急増する半導体研究開発費

凸版印刷は,07年2月にIBMと回路線幅32nmフォトマスクの共同開発を始めた。これにより,両社は最小32nmまでの回路特性を持つ半導体チップの早期生産を目指していくという。第一フェーズにおいては,32nmフォトマスクについて,先端マスク材料の評価も含めた開発を行っていく。また,両社は第二および最終フェーズの進め方について,08年6月までの間に協議するという。
一方,大日本印刷(DNP)は,07年6月,NECエレクトロニクス(NECEL)および同社の100%子会社であるNECファブサーブより,半導体フォトマスクの製造・販売事業を譲り受け,同月,新会社「DNPファインエレクトロニクス相模原」として営業を開始している。この事業譲受は,06年12月26日に公表した,DNP,NECEL,NECファブサーブの3社間で交わされた事業協力に関する合意に基づくものである。新会社で作られたフォトマスクは,DNPを通じてNECELを始めとする半導体メーカーに供給されるという。なお,新会社の資本金は1億円で,従業員は約150名となっている。

国を挙げての新規プロジェクト

1. 経済産業省

経済産業省は,07年度から新規プロジェクト「ナノエレクトロニクス半導体新材料・新構造技術開発−新材料・新構造ナノ電子デバイス」を開始している。同プロジェクトは,エレクトロニクスにおけるSi半導体技術で,これまで微細化によって得られてきた集積度向上(=コスト低減),処理速度高速化,消費電力低減というメリットが,デバイスの物理的要因やリソグラフィの経済的要因により充分に達成されない状況にある。そこで,Siで培った微細化技術やデバイス原理をこれまで同様に活用しながら,Siという材料の物理的特性を充分踏まえた上で,様々な要因に基づいて出現するデバイス性能の技術的な飽和を突破するための“新材料”や“新(デバイス)構造”を実現する半導体技術を,ナノテクノロジーを最大限に活用したナノエレクトロニクスの領域において,研究開発を行う。これにより,産業界が10年後を見据えた将来の集積回路システムとして展開できる電子デバイスを開発する際に,産業技術として活用できるかどうかの実現可能性を見極め,また,シーズを確立することを目的としている。

2. 文部科学省

また,文部科学省・科学技術振興機構(JST)のCREST(戦略的創造研究推進事業)「次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究」では,新しい原理により消費電力の増大,製造コストの巨額化といった実用上の問題を解決するための高集積情報処理デバイス,有機物を含め異種材料や技術の融合により新機能・高性能を発揮するデバイス,およびそれらを可能にするプロセス研究,また従来にない斬新なアプリケーションを切り拓く研究などが含まれる。研究提案においては5年間のマイルストーンを提示するが,領域の運営方針としては中間評価に代表される,研究進行中の評価を重視する。採択から3年間程度で実用化に向けての道筋が相当程度ビジブルになることを目指す。中間評価以降は評価結果あるいはその他研究進捗の状況によって,その後の研究の進め方を大胆に見直すことを想定しているという。

海外の研究動向

1. ATMI

ATMIは,86年に米コネチカット州ダンベリーで設立され,高機能材料および高純度材料と,それらのハンドリング・供給システムを世界中の半導体メーカーに提供している。同社は,「半導体プロセス効率向上の源」として,顧客の新製品市場投入期間の短縮,ウェーハ歩留りの向上,オペレーション・コスト削減などに貢献している。なお,主要製品としては,絶縁膜/強誘電体膜/金属膜/バリア膜向けのCVD原料,フォトレジスト材料の容器・搬送・ディスペンス・材料情報自動トラッキングシステム,フォトレジスト剥離剤などがある。

2. Intermolecular

Intermolecularは,04年に米カリフォルニア州サンノゼで設立され,ユーザーの半導体研究開発への投資収益率を最大限に高めるHigh-Productivity Combinatorial(HPC:高生産性コンビナトリアル)テクノロジー製品およびサービスを提供している。同社のHPCプラットフォームはデバイスメーカーや材料サプライヤ,および機器メーカーに統合プロセスシステム,特性評価システム,インフォマティクスシステムを提供し,材料の特定やユニット・プロセス開発,ICデバイスのプロセス・インテグレーションにユーザーが要する時間の大幅な短縮を実現する。


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