インターネプコン・ジャパン
高まるパッケージングの重要性
08年以降の組み立て装置市場
生産能力の拡充に伴い市場規模が拡大
SiPやPoPなど高機能パッケージが本格普及
小林行雄/編集部
プロセスの微細化に伴い,デバイスメーカー間の共同開発が進んだ結果,共通化が促進されることとなり,デバイスの差異化が難しくなってきている。そこでデバイスメーカー各社はパッケージングなどの後工程技術で,デバイスの差異化を図ろうと模索し始めている。結果として設備投資も活発に行われており,半導体製造装置市場が調整局面にある中でも,組み立て装置市場は堅調に推移。今後もこの流れは多少の波はあるものの,変わらないものと予測される。
アジア地域の市場規模が拡大
1. 08年には04年の市場規模を突破
半導体製造装置市場の調整局面においても,組み立て装置は好調を維持している。組み立て装置の07年の市場規模は前年比14.0%増の27億9550万ドル程度になるものと予測される。08年も北京オリンピックでの需要増加に伴い堅調に推移し,同9.4%増の29億4000万ドルと04年に記録した最高額28億2560万ドルを突破,過去最高に達することが見込まれる。
その後はオリンピック需要後の一服感から09年に市場がマイナス成長になるものの市場規模は07年並を維持,10年になると再びプラス成長となり11年には08年の記録を更新することが予想される。
2. 台湾と中国地域が躍進
こうした組み立て装置市場好調の背景には,300mmウェーハ化の進展によって生じた製造量の増加に伴うAdvanced Semiconductor Engineering(ASE)などのサブコントラクタやデバイスメーカーの生産能力増強がある。特に顕著なのは台湾および中国地域における後工程工場の新設ならびに設備増強である。
台湾の07年におけるパッケージングおよびテスティング市場は,第1四半期が前年同期比2.0%増の500億NTドル,第2四半期が同0.6%減の520億NTドル,第3四半期が同10.7%増の620億NTドルとなった。第4四半期も同30.8%増の700億NTドルと,メモリ製品の増産に加え,IDMからのアウトソーシングの増加により成長が続いていくことが見込まれている。
一方の中国もデバイスメーカーの後工程工場新設や設備増強が相次いでいる。例えば,ルネサス テクノロジでは同社の北京工場ならびに蘇州工場の生産能力を拡充されており,現在の月産6000万個体制を08年度には月産1億個まで引き上げることを計画している。また,ASEとNXP Semiconductorsは07年10月,蘇州に組み立て/検査の合弁会社「ASEN」を設立したことを発表した。新会社は蘇州工業パークに工場があり,当初の計画としては,携帯機器向けデバイスの組み立てと検査を行う予定で,パッケージもQFNやLFBGA,TSSOPなどに対応していくことを計画している。将来的には携帯機器以外の分野にも進出することを検討しており,以前NXPが蘇州で使用していた半導体の組立工場を,今後2〜3年以内をメドに生産能力の強化などを図っていきたいとしている。
3. 高機能化が進むパッケージング
パッケージは生産量の増加に加え,高機能化も進展している。特に携帯電話やデジタルスチルカメラなどの携帯機器向けを中心に開発が進んでおり,PoP(Package on Package)によるSiP化が進んでいる。各サブコンメーカーやデバイスメーカーも自社デバイスのSiP化を進めている。例えばソニーでは,携帯機器の小型薄型化が加速することを予測,大分工場にSiP製造を行う新棟を建設,07年5月より稼働を開始させている。また,エルピーダメモリでは子会社の秋田エルピーダでMCP(Multi Chip Package)やPoPなどの開発を行っている。07年4月には当時世界最薄となる1.4mm厚で20枚のチップ積層パッケージを開発した。
パッケージによるデバイスの高機能,高性能化への取り組みは留まるところを知らず,多段積層の次世代パッケージとしてSi貫通ビア(Through-Silicon Via:TSV)を用いた三次元配線実現に向けた取り組みが,IBMで08年から量産出荷を予定するなど,各地で行われている。プロセスの微細化が引き起こしたデバイスメーカー各社の共同開発化に伴って製品の差別化が難しくなってきた現在,チップやパッケージを組み合わせることで,求める性能を変えることができるSiPへの注目は今後も増していくことだろう。

図1 半導体組み立て装置市場推移 出所)SEAJおよび当社推計
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