半導体/FPDの今 装置・部材メーカーの戦略
半導体・FPD製造装置産業の最新動向
市況は両分野で明暗分かれる
今後は,より戦略的なビジネスプランが不可欠
編集部
07年から08年の製造装置市場は,半導体とFPDで,まったく逆の動きを見せている。また,供給過剰,大幅な価格下落によって,設備投資が大きく変動する中,装置・部材メーカーには,戦略的な事業計画が求められる。本稿ではその最新動向を探る。
半導体産業の動向
International Monetary Fund(IMF)の発表によると,07年の世界経済は,米国をはじめとする先進国におけるサブプライムローン問題の影響などから減速基調での推移となった。しかしながら,中国をはじめとするBRICs諸国での経済状況が堅調を維持し,実質GDP成長率は06年の前年比5.4%増より,0.2ポイント低い5.2%増と推計される。また,08年については,同4.8%増と伸び率は鈍化するものの,引続き堅調さを維持すると見込まれている。
なお,08年の電子機器市場も従来に引続き底堅い成長が見込まれている。その牽引役となるのが,北京オリンピックを契機とするFPD-TVの一層の普及拡大,PCでは先進国を中心としたノートタイプへの買換需要やBRICsさらにはVISTAなどの新興国市場における需要拡大,携帯電話においてはiPhoneなどの高機能機の新興国での新規需要の創出などが挙げられる。
一方,World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)によると,07年の半導体市場は同3.2%増の2556億4500万ドルとなった。08年については,同9.1%増の高い成長が見込まれており,デバイス別では06年に市場を大きく牽引したDRAMが価格下落から大幅な減速に陥る一方,フラッシュメモリは大きく伸長する傾向にある。09年については,伸び率は若干鈍化するが,同6.2%増とプラス成長を維持すると予測される。
これにより,07年度の日本製半導体製造装置の売上高は前年度比3.6%増の1兆8418億円と,前年度に引続きプラス成長を維持したものの,08年度については,先述のメモリ関連メーカーの投資抑制などにより,マイナス成長に転じるとみられ,同6.0%減の1兆1731億円と見込まれる。

図1 日本製半導体製造装置市場の推移 出所)SEAJ
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FPD産業の動向
FPDの07年世界市場は,前年比20%以上の高成長を記録し1020億ドル程度となった。08年についても,20%以上の伸びで成長し,1200億ドル規模に達するとみられる。そして,その中心として市場を牽引したのがTFT-LCDであり,FPDパネル市場の90%を占めるに至っている。
なお,00年以降,毎年2桁成長を継続し,驚異的な伸びを示した同市場であるが,主要アプリケーションでの普及率などの観点から,09年以降は,一気に成長率が鈍化する成熟期へと突入する。07年におけるアプリケーション別のTFT-LCDの浸透率を見てみると,デジタルスチルカメラ/デジタルビデオカメラが100%,ノートPCが100%,デスクトップモニタが91%,ポータブルメディアプレーヤが91%,ゲーム機器が89%,携帯電話が59%,テレビが49%となっている。
一方,07年度における日本製FPD製造装置市場を見てみると,市場規模は同34.0%減の3583億円となった。06年度後半にパネルの需給バランスが崩れ,大幅な供給過剰状態に陥ったことから,06年度後半から07年度にかけて,パネルメーカー各社において投資計画が見直され,結果的には30%以上のマイナス成長を余儀なくされた。しかしながら,その反動もあり,08年度にはV字回復となり,同46.0%増の高成長が期待される。

図2 日本製FPD製造装置市場の推移 出所)SEAJ
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主要メーカーの投資動向
Samsung Electronicsは,08年に連結ベースで11兆ウォン以上の設備投資を行うと発表した。これは,07年の10兆8000億ウォンを上回る規模となる。内訳は,メモリ関連が7兆ウォン,LCD関連が3兆7000億ウォンとしている。また,同じく韓国のHynix Semiconductorは,当初計画の3兆6000億ウォンから,1兆億ウォン減額し,2兆6000億ウォンとすると発表した。DRAMやフラッシュメモリの価格下落が著しく,体力の差が表れる形となった。なお,日本のエルピーダメモリも,08年の設備投資は約1000億円としており,07年の2414億円(Rexchip含む)から大幅な減額となる。