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半導体/FPDの今 装置・部材メーカーの戦略

Excellent Company の次世代戦略
株式会社ディムコ
スチールベルトのリーディングカンパニー
シームレス化を実現し,さらなる躍進を目指す

86年に創業したディムコは,半導体をはじめ,FPD,太陽電池分野向けに,独自のスチールベルトを採用した様々な製品展開を行っている。さらに,同社は技術力を集約し,シームレススチールベルトを開発。FPD市場向けを中心に,今後はフィルム業界への市場拡大を狙う。

07年度も好調

常務取締役 木曽川一三氏
▲常務取締役 木曽川一三氏

ディムコは,スチールベルトを採用した独自の製品展開を幅広い分野に展開している。同社の07年度の売り上げは約9億円,うち約8割強が半導体,FPD,太陽電池分野を含むエレクトロニクス関連と推計される。中でも,太陽電池およびFPD向けは好調に推移しており,前年を上回ると予想している。研究開発費に関しては,売り上げの約10%程度を投入している。なお,08年度の業績については13億円を目標として掲げており,さらなる躍進を目指している。

太陽電池向けで採用が拡大

太陽電池分野での好調な要因として,スチールベルトがセル製造工程に適している他,消耗品として使われていることが挙げられる。具体的には,はんだ付け工程で採用が進んでいるという。はんだの鉛フリー化により,はんだの溶融温度が非常に高くなり,これまでの樹脂ベルトやテフロンベルトなどの搬送系ベルトでは250〜300度を超える高温での対応が困難となってきた。これにより,フッ素樹脂付きスチールベルトの採用が急速に進んだという。また,露光工程でのマスキング用ベルトとしての導入も進み,着実に採用エリアを拡大している。
現在,同社では耐摩耗性に優れ,高硬度を実現する特殊コーティング加工を施したスチールベルトの製品化を検討している。PVDコーティングと呼ばれるユニークな加工方法で,08年夏ごろにはサンプル品の完成を予定している。木曽川氏は「他社にない独自の技術力により,製品のさらなる差別化を図っていきたいと考えています」と次なる展開を目指す。

大型シームレススチールベルトを開発

▲ステンレススリーブ
▲ステンレススリーブ

太陽電池向けに加え,同社が注力をしているのがFPD分野で,中でも好調に推移しているのが「シームレススチールベルト」である。同製品は,つなぎ目(溶接部)がないスチールベルトで,中でもステンレススリーブが好調だという。
現在,シームレススチールベルトの最大サイズとしては直径300mm×幅500mm×厚さ0.03〜0.5mmとなっている。同社では,さらなる大型化に向けた製品開発に取り組んでおり,08〜09年には直径1000mm×幅2000mm対応の製品リリースを予定している。これにより,同社ではLCDで多く使用されている各種光学フィルム分野への採用を目指す。木曽川氏は「ニッケルスリーブでは,ピットと呼ばれる小さな空間や表面にくぼみが発生するなどして,表面微細加工への影響や破断の原因となるいくつかの問題も顕在化しています。大型サイズに対応したステンレススリーブを製品化することで,フィルム市場向けに展開していきたいと考えています」と語る。
シームレススチールベルトの製造方法は,長く培われてきた同社独自の圧延加工により実現されている。ベルト表面の高精度な平坦化はもちろん,形状変化への耐性なども考慮しており,まさに同社の技術力が集約された製品といえる。同社では,08年度中に大型シームレススチールベルト製造用に大型圧延機を導入し,さらなる生産体制の構築を目指す。

内製化による技術構築

同社では,これまでスチールベルトの生産を外注化してきた。しかしながら,近年,一層の品質向上を図るため,協力会社との製造一体化にシフトした。これにより,(1)技術的ノウハウの蓄積,(2)納期短縮,(3)顧客からの要望を直接現場に反映しやすいなど,多くのメリットを生み出すことができる。同社では,独自の技術力をさらに高め,付加価値の高い製品を提供すると同時に,自社の技術力構築にも努めていく。

他社との協業体制

▲フッ素樹脂コーティング
▲フッ素樹脂コーティング

同社はこれまで様々な分野において,製造装置メーカーやセットメーカーなどと協業体制を構築してきた。現在,太陽電池分野では,真空関連の製造装置メーカーと協力関係を築いている。また,FPD分野においても,前述の表面特殊コーティングに関しては,他社との協業を行いながら製品化を進めている。今後もこのスタンスに変わりはないものの,1社への集中はなるべく避け,様々な企業との協業を目指している。

スチールベルトの基本特性を見直す

加熱用コンベヤ
▲加熱用コンベヤ

同社はこれまで,半導体をはじめ,FPD,太陽電池など様々な分野へ事業展開を進めてきた。しかし,近年に入り,再度スチールベルトの本来の特性に注目すべき時期にきているという。木曽川氏は「スチールベルトの特性である,耐熱性,耐腐食性,高剛性,帯電防止など,そのメリットは非常に多いのです。その中から,次なる応用分野を模索しています」と語る。
現在,同氏が最も注目しているのが加熱,乾燥関係だという。中でも,200〜300度という高温での加熱用途としての需要は非常に高く,食品,電子部品,フィルム,セラミック焼結などが,スチールベルトの特性を生かした分野だとしている。今後は,同社のスチールベルトを採用した加熱装置として拡販していきたいと考えている。また,帯電防止という特性からは,半導体分野における需要拡大も期待しているという。
スチールベルトのリーディングカンパニーであるディムコは,いま一度原点に戻り,スチールベルトの特性を生かしさらなる市場の拡大を目指している。


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