半導体/FPDの今 装置・部材メーカーの戦略
Excellent Company の次世代戦略
サムコ株式会社
多様なアプリに向けた事業展開で堅調な成長
海外では,長期的な視点に立った草の根活動を展開
売上高100億円を中期的な目標とするサムコだが,早くも一つのポイントとなる折り返し地点を今期末にも通過する見通しだ。一方で,海外では技術の啓蒙を目的とした薄膜技術セミナーを現地の大学と共同開催するなど,地道な活動を継続。5〜10年という長期的な視点で,市場開拓を進めており今後の動向に注目が集まる。
売上高100億円への折り返し地点を通過

▲代表取締役社長 辻理氏
研究開発向けから量産ライン向けまで,製品ラインナップを大幅に拡大したサムコ。中期的な目標としている売上高100億円の折り返し地点を,08年7月期に突破する公算が強くなってきた。07年7月期にも,売り上げが前年同期比で40%近い伸びを示した同社であるが,今期の業績も確実に2桁成長を維持し,いよいよ本格的な成長期へ向けて大きく歩みを進めた。
同社のビジネスモデルは,一般的なSiをベースとしたものとは一線を画す。オプト,LED,レーザ,電子部品,いわゆる化合物半導体関連がその主戦場となる。一方で,Si関連もターゲットを絞り込んだ領域での事業展開は着実に進めている。その一例が,三次元パッケージ。モバイル機器向けの先端デバイスを中心に導入が進みつつあり,今後の成長が期待される分野でもある。
このように,同社のビジネス領域は多岐にわたる。半導体製造装置全体としては,現在,デバイスメーカーによる調整局面で厳しい状況にあるが,この多様化が奏功し,堅調な成長を続ける。「我々は,不況期にこそ成長を目指す,変わった会社です」と笑顔で語る辻氏だが,その目には,確かな事業戦略と技術力に裏打ちされた自信が垣間見える。
中長期的な視点による海外展開
一方で,応用分野の多様性に加えて,海外市場での売上拡大・共同研究も,堅調な成長の原動力となっている。「これらは,単に足元のビジネスだけでなく,長期的な視点に立った展開で推進しています」と辻氏は指摘する。
その一例が,昨年からスタートした清華大学との共同研究,北京,上海での薄膜技術セミナーの開催となる。同国は,サムコが特に期待を持って事業展開を図っている市場で,セミナーの開催も決して一過性のものではない。今後も,提携大学との共同開催で,主要10都市程度を巡る計画であるという。なお,共同研究については,現地の主要研究機関や大学から相当数の提案があり,同社を取り囲む輪は,さらに拡がりを見せることとなる。
同社では,中国展開を5〜10年というスパンで見据えている。現在の草の根的な活動が,優秀なエンジニアを育成する一助となり,将来的には,より強固な共同研究などにも結びつくとしている。
技術開発への一層の注力
サムコの事業拡大の背景としては,生産機「Cシリーズ」のラインナップなどが挙げられるが,強さの根本にある優位性は,高付加価値の技術開発にある。
同社では,08年3月に第2研究開発棟を竣工した。同研究棟では,GaNなどの窒化物やZnOなどの酸化物材料,さらには強誘電体材料における材料開発および結晶成長の装置化技術の研究が行われ,次のステップに向けた足場が着実に固められつつあり,さらに,国内外の主要機関との連携の拠点としても活用される計画である。