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製造工程において多量の電力や水,化学薬品を使用する半導体・FPD産業は,環境対策が最も求められている産業の一つと言える。半導体産業は,プロセスの微細化が進み,一部のデバイスメーカーで45nmプロセスを採用した製品の量産が開始されるなど,その勢いは留まるところを知らない。また,FPD産業も,需要の拡大に伴い,各メーカーの生産量が増え続けている。
そうした中,京都議定書によるCO2の排出量削減やRoHS指令による製品への有害化学物質の含有禁止をはじめとしたグリーン調達の推進など,環境保護を意識した取り組みが重要な課題となっている。そこで,持続可能な社会の実現に向けた半導体・FPD業界において行われている省エネ化やCO2削減,資源のリサイクル,地域環境保全施策の動向,製造現場の環境対策や地震や落雷といった自然災害から製造ラインを守る設備施策,製品使用時の環境負荷低減に向けた取り組み,環境対策関連製品の重要性が増している。
国内の電機・電子業界の自主行動計画では,10年までに90年度比で実質生産高CO2原単位を28%改善するとしている。一方,環境配慮設計への取り組みについては,省エネの推進,製品含有化学物質,3R推進を行うとしている。しかし,CO2排出量は90年度比8.1%増加している。この主な要因は,90年当時に存在しなかったFPD-TVやDVD,デジタルカメラなどの登場により,生産総量が急増したことにある。また,10年間で業態構造が,組立型産業からエネルギーが多量に消費される半導体やFPDパネルといったデバイス系へと転換したことにある。また,高度な技術の保持といった観点から,生産の国内回帰も挙げられる。
半導体業界における省エネ・地球温暖化への施策は,半導体工場での取り組みと製品開発の取り組みに大別できる。前者における主な取り組みは,地球温暖化ガス排出削減,工場動力の省エネ推進,製造装置の省エネ化推進,ライフサイクルアセスメント(LCA)への取り組みなどがあり,後者では,高集積化・高機能化,低電力化,低電圧化(微細化),高耐電圧・電流化などがある。例えば,マイコンやパワー半導体は,IT機器や家電製品の制御性の改善・効率化に貢献している。LEDは低消費電力化,超高輝度化によって,最終製品の電力消費量や待機時消費電力の低減に寄与している。また,自動車の燃費や,ETCによる輸送効率の改善などにも寄与しており,半導体製品は,地球規模の省エネに貢献している。
国内の半導体業界における省エネ施策としては,半導体工場の動力負荷の最適化,日本空気清浄協会(JACA),Semiconductor Equipment and Materials Institute(SEMI),日本半導体製造装置協会(SEAJ),メーカーの協力により,工場全体のエネルギー効率を向上させる手法の検討が行われている。また,製品の環境負荷低減としては,半導体製造のLCAプログラムの改良と環境負荷の評価,ユーザーの使いやすい簡易プログラムの開発と公開といった活動が行われている。
LCAによる環境負荷低減活動は,環境への貢献に加え,企業のブランドイメージにつながることから,ビジネス戦略にも組み込まれている。そこで,環境負荷低減活動を客観的に表現するツールとして,LCAの注目が高まっている。また,国際的な環境規制や指令,自動車業界や複写機業界といった半導体業界の顧客からも,LCAへの対応が求められている。そうした背景もあり,半導体メーカーが協力してLCAを実施するインフラを電子情報技術産業協会(JEITA)が構築し,開発したプログラムを用いて製造時の環境負荷の把握・低減に寄与しようという活動が行われている。
| プレスジャーナルでは,特別調査レポート「2008 半導体・FPDメーカーの環境対策と関連産業」を発行しております。持続可能な社会の実現に向けた半導体・FPD業界における環境対策の技術動向,製造現場の環境対策や製品使用時の環境負荷低減,環境対策関連製品を提供しているメーカーの最新動向などを徹底調査しています。くわしくはこちらから |