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特別調査レポート

太陽電池メーカー動向と製造装置・部材産業

主要国の太陽電池政策
各国の太陽電池導入量

IEA-PVPS(国際エネルギー機関 太陽光発電システム研究協力協定)に加盟している主要国の累積太陽光発電システム導入量の推移を表1に示した。これによると,日本は太陽光発電システムの累積導入量で,97年に米国を抜いてから04年まで8年連続で世界1位を維持していたが,05年にドイツにその座を奪われている。
ドイツにおいて,急激に太陽光発電システムの導入が増えた要因としては,再生可能エネルギー由来電力の固定料金での買取契約義務であるフィードイン・タリフ(Feed-in Tariff:FIT)の導入が挙げられる。そこで,世界各国では,FITの導入もしくは,RPS(Renewable Portfolio Standard)法の導入が広がっている。なお,RPS法とは,電気事業者に対して,毎年その販売電力量に応じた一定割合以上の新エネルギーなどから発電される電気の利用を義務付ける制度である。

日本の現状と目標

日本は,バイオマス熱利用・太陽光発電などの新エネルギーの導入を推進し,10年度に新エネルギー導入量の目標値を原油換算で1910万klとしている。
施策としては,導入段階における支援,技術開発・実証段階における支援,普及啓発,RPS法の円滑な施行,グリーン購入法に基づく率先導入の推進,バイオマスタウンの構築,分散型新エネルギーのネットワーク構築,未利用エネルギーの有効利用(新エネルギー関連分野),再生可能エネルギーを集中的に導入するモデル地域の整備に関わる補助,バイオエタノール燃料の利用設備導入に関わる補助,高効率廃棄物エネルギー利用施設,バイオマス利用施設などの整備に関わる補助,地方公共団体による新エネルギー技術の率先導入に関わる補助などを行う。
また,地方公共団体においては,新エネルギー導入の総合的計画策定/実施/評価の推進,公共施設などにおける導入促進,新エネルギーの導入支援,グリーン購入法に基づく率先導入の推進などを実施することが期待され,これらの施策により,約4690万t-CO2の排出削減を見込んでいる。なお,CO2排出削減量の積算時に見込んだ数値は,太陽光発電118万kl,風力発電134万kl,廃棄物発電+バイオマス発電586万kl,太陽熱利用90万kl,廃棄物熱利用186万kl,バイオマス熱利用308万kl(輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料50万klを含む),未利用エネルギー5万kl,黒液・廃材など483万klとしている。
さらに,30年には,新エネルギー導入量を原油換算3946万klにまで拡大することを目標としている。この目標では,51.3%を太陽光発電でまかなうと想定している。

各主要国の太陽電池政策と目標値

1. ドイツ

ドイツの再生可能エネルギー導入目標は,一次エネルギー消費で10年に4%,25年に25%,50年に50%,電力生産では10年に10%,電力消費についてはEU指令に則り10年に12.5%と定めている。RPS法を導入していないが,手厚いFITを導入している。
施策としては,99年から03年にかけて,「100,000ルーフ・プログラム」を行い,目標とした太陽電池導入実績300MWを超える345MWの導入を果たしている。その他,改正生成可能エネルギー法(04年),学校への導入プログラムや州レベルの導入プログラム,低利融資プログラムなどを行っている。州によっては補助金制度も設けている。

2. 米国

米国は,太陽電池システムを10年に3000MW,20年に3万6000MW,30年に20万MW規模まで導入することを目標にしている。そのために,RPS法や太陽光発電システム補助金制度を州ごとに実施している。
また,再生可能エネルギー電力の導入目標を持つ州の数は23州となっている。23番目の州となったミネソタ州は,25年までに州内の電力の25%を風力,太陽光,バイオマスなどの再生可能エネルギー由来にしなければならないと設定している。なお,最も目標導入比率が低いのは,マサチューセッツ州の4%(目標年09年),その他は8%が1州(13年),10%が7州(10?25年),11%が1州(22年),15%が3州(15?20年),18%が1州(20年),20%以上が5州(10?25年)となっている。また,導入比率ではなく導入電力量を数値目標で設定した州が2州ある。
主な施策は,エネルギー省の太陽光発電研究開発プログラム(03〜07年),太陽光発電システム購入者への所得税控除(07年),各省庁による導入支援(国防総省,内務省,国立公園,各州における普及施策(バイダウンプログラム,ネットメタリング制度など),一部の電力会社によるグリーンプライス,事業用に加えて住宅用PVシステムにも税額控除を制定(05年)。ブッシュ政権下では,太陽光エネルギーの利用が大きく停滞してきたが,ブッシュ大統領による「ソーラー・アメリカ計画」で復活を目指している。同計画では,15年までに太陽光発電の新設目標を5000〜1万MW,1000万t/年のCO2排出量の削減,太陽光発電産業における3万人の新規雇用の創出を目指している。

3. オーストラリア

オーストラリアは,再生可能エネルギー導入目標量は10年に950万MWh/年,太陽光発電システムの導入目標量を10年に350MWとしている。施策としては,都市部での対規模実証プログラム(04年〜10年)や再生可能エネルギー関連事業の支援,太陽光発電システム導入時の補助金制度などを設けている。また,一部の電力事業者がネットメタリング制度を実施している。

4. オランダ

オランダは,再生可能エネルギー導入目標を10年に17.0%,太陽光発電導入目標を20年に1500MWとしている。施策としては,建物用太陽光発電システム導入計画(96年〜20年),エネルギー効率評価(EPA)による補助金,FITやネットメタリングを導入している。

5. イタリア

イタリアは,EU指令に基づき再生可能エネルギー導入目標を10年に12.5%にすることを目標としている。太陽光発電導入目標量は,15年までに300MWとしている。RPSは導入していないものの,05年9月よりFITを導入している。

6. フランス

フランスは,EU指令に基づき再生可能エネルギー導入目標を10年に21.0%にすることを目標にしている。太陽光発電導入目標量は,1000kW/年(独立系システム),15MW(04年,系統連係形システム)としている。また,エネルギー枠組み法(05年)により,10年までに太陽光発電/太陽熱システムを5万基/年導入することを掲げている。施策としては,既存建築および新築への太陽光発電システム導入時の付加価値税控除や個人に対する税額控除,補助金制度を導入している。FITの他,20年間の買取保証も行っている。

7. 韓国

韓国は,生成可能エネルギーの導入目標を11年までに5%と設定している。太陽光については,12年までに1300MW,雇用人員5万人,30億ドル規模の産業,12年までに世界の太陽電池セル/モジュール市場のシェア10%獲得を目標にしている。施策としては,補助金制度やFITの導入,新築公共建造物での再生可能エネルギーの利用義務,国家研究開発プログラム策定,韓国太陽光発電開発機構(KPVDO)の設立,産官学の連携による研究開発の強化を図っている。

8. 中国

中国は,06年1月施行した「再生可能エネルギー法」により,太陽光利用の促進している。太陽光に関するFITの実施は未決定である。ただし,上海では,FITを検討している。

表1 IEA-PVPS加盟国における太陽光発電システム累積導入量(単位:MW)

国名 96年 97年 98年 99年 00年 01年 02年 03年 04年 05年
ドイツ 27.8 41.8 53.8 69.4 113.7 194.6 278.0 431.0 794.0 1429.0
日本 59.6 91.3 133.4 208.6 330.2 452.8 636.8 859.6 1132.0 1421.9
米国 76.5 88.2 100.1 117.3 138.8 167.8 212.2 275.2 376.0 479.0
オーストラリア 15.7 18.7 22.5 25.3 29.2 33.6 39.1 45.6 52.3 60.6
スペイン 6.9 7.1 8.0 9.1 12.1 15.7 20.5 27.0 37.0 57.4
オランダ 3.3 4.0 6.5 9.2 12.8 20.5 26.3 45.9 49.1 50.8
イタリア 16.0 16.7 17.7 18.5 19.0 20.0 22.0 26.0 30.7 37.5
フランス 4.4 6.1 7.6 9.1 11.3 13.9 17.2 21.1 26.0 33.0
スイス 8.4 9.7 11.5 13.4 15.3 17.6 19.5 21.0 23.1 27.1
オーストリア 1.7 2.2 2.9 3.7 4.9 6.1 10.3 16.8 21.1 24.0
メキシコ 10.0 11.0 12.0 12.9 13.9 15.0 16.2 17.1 18.2 18.7
カナダ 2.6 3.4 4.5 5.8 7.2 8.8 10.0 11.8 13.9 16.7
韓国 2.1 2.5 3.0 3.5 4.0 4.8 5.4 6.0 8.5 15.0
英国 0.4 0.6 0.7 1.1 1.9 2.7 4.1 5.9 8.2 10.9
ノルウェー 4.9 5.2 5.4 5.7 6.0 6.2 6.4 6.6 6.9 7.3
スウェーデン 1.8 2.1 2.4 2.6 2.8 3.0 3.3 3.6 3.9 4.2
デンマーク 0.2 0.4 0.5 1.1 1.5 1.5 1.6 1.9 2.3 2.7
イスラエル 0.2 0.3 0.3 0.4 0.4 0.5 0.5 0.5 0.9 1.0

出所)IEA-PVPS

この記事は特別調査レポート「2007 太陽電池メーカー動向と製造装置・部材産業」より抜粋しております。急成長する太陽電池について,その需要拡大の背景から,単結晶SiやCIS系などの技術動向を詳述,セル・Si材料の市場を徹底予測しています。くわしくはこちらから

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