2005年 半導体製造装置・材料市場
世界市場
小幅な下落
05年の世界市場は,シリコンサイクルのダウンターン1年目にも関わらず,前年比9.9%減の295億3020万ドルと,思いのほか小幅なマイナス成長での推移となった。その鍵を握ったデバイスは,周知の通り,ポータブルオーディオやUSBメモリで用いられるフラッシュメモリである。終わってみれば,国内をはじめ,韓国,中国のメモリメーカーがこぞって大型投資を行った年であった。 なお,06年の世界市場は,同3.3%増の305億1830万ドルの微増と予測される。ただし,装置ごとに若干の温度差は生じるものと思われる。
1. 地域別の動向

図1 半導体製造装置 地域別市場の実績推移と将来予測
05年の市場動向を地域別に見てみると,日本市場が同4.1%減の74億7000万ドル,韓国市場が同29.6%増の52億7900万ドル,欧州市場が同 5.9%減の28億5800万ドル,米国市場が同1.1%増の51億8900万ドル,台湾市場が同23.1%減の52億7000万ドルとなった。唯一大幅なプラス成長となった韓国市場は,Samsung Electronicsによる大幅なフラッシュメモリの生産ライン増強が牽引役となった。その他,日本市場や北米市場,欧州市場も微増・微減で推移しているが,その主な投資案件は,韓国市場同様フラッシュメモリであった。
2. 装置別動向
一方,05年の市場を装置別に見てみると,熱処理・イオン注入装置が同10.7%減の19億9600万ドル,成膜装置が同9.7%減の66億7370万ドル,リソグラフィ装置が同1.3%減の70億4870万ドル,エッチング装置が同12.5%減の33億4170万ドル,テスタ関連が同10.6%減の42 億7540万ドルとなった。露光装置はほぼ横ばいでの推移となったが,これは,他の装置に比べてリードタイムが長く,好調であった04年に受注した装置の出荷が05年にずれ込んだことによる。
地域別で最も高い伸び率を示したのは,先述の通り韓国で,前年比29.6%の伸びを記録している。それとは対照的に,ファンドリが主軸の台湾,中国(その他)は,2桁マイナスの厳しい状況となった。これにより,韓国市場の世界市場に対する構成比率は,04年の12.4%から5.5ポイントアップし,05年には17.9%としている。その他の地域では,北米市場が04年の15.7%から約2ポイントアップの17.6%,欧州市場が04年の9.3%からほぼ横ばいの9.7%,台湾市場は04年の20.9%から約3ポイントダウンし17.8%,そして,日本市場は04年の23.8%から51.5イントアップして 25.3%としている。
07年から回復基調に
これまでのシリコンサイクルでは,オリンピックイヤー翌年の装置市場は,大幅なマイナス成長であった。それが,05年の装置市場は10%程度のマイナス成長で推移し,装置メーカーにとっては,マイナス成長ながらも幸運な年であったといえるだろう。だが,06年の市場はV字回復でさらなる成長,というわけにはいかない。06年の設備投資戦略について,早くも効率化,縮小という声が聞こえてきており,デバイスメーカーの投資戦略には十分に注目する必要がある。
だが,01年の未曾有のシュリンク以降,デバイスメーカーに限らず,装置メーカーも「01年と同じ轍は踏まない」との戦略から,売り上げが大きく落ち込んでも最低限の利益を確保できる体制,体質を構築している。対応策を取っていなかった01年と,十分な対応策のある現在。その違いは,非常に大きいだろう。
日本市場
前年比4.1%減に
05年の半導体製造装置日本市場は,前年比4.1%減の8218億円となった。デバイスメーカーが発表した年初計画では,10%程度のマイナスが見込まれていたが,下期以降に上方修正が相次ぎ,結果としては4%程度のマイナス成長に留まった。その上方修正の鍵となったのは,やはりメモリである。東芝をはじめとして,エルピーダメモリなどが大幅な増強を行った。
東芝は,05年度から07年度の3年間で,NAND型フラッシュを中心にして,5500億円程度の設備投資を行うとしている。量産拠点である四日市工場の300mmウェーハ対応ラインを05年上期末には月産1万枚とし,06年上期末に同3万枚,07年には月産4万枚体制としる。また,同社は,05年7月に岩手東芝エレクトロニクスに200mmウェーハ対応の生産ラインを新設し,LCDドライバおよびパワーMOSFETの生産を行うと発表した。新生産ラインへの設備投資金額は100億円程度が見込まれている。
エルピーダメモリは,E300での生産量を05年度第4四半期中には月産5万4000枚まで引き上げる計画。また同社では同ラインで量産が行われている90nmプロセス製品を,05年度中には,E300での生産総数(月産)の70%に引き上げるとしている。
【この記事は「SPECIAL SURVEY 39「2006半導体製造装置・材料業界」より抜粋】