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第10回 FPDシンポジウム
−大画面薄型TV用TFT-LCD製造技術−

05年9月13日,学士会館(東京・神田)にてプレスジャーナル主催のFPDシンポジウム「大画面薄型TV用TFT-LCD製造技術」が開催された。同シンポジウムでは,製造装置のロードマップと市場,露光技術,スパッタ技術,配向膜技術,検査・リペア装置技術,パネル分断技術と装置などの最新動向について幅広く講演が行われた。各講演内容の概要についてレポートする。

第10世代に向けた大画面TFT-LCDおよび
製造装置のロードマップと製造装置市場
アドバンスド データ リサーチ 高多清作氏

アドバンスド データ リサーチ 高多清作氏
アドバンスド データ
リサーチ 高多清作氏

高多氏は,パネル面積の大型化と材料費のコスト低下によりLCD-TVの価格は低下して行くと指摘した。そのため,パネル面積から見たTFT- LCD全体市場において,今後,LCD-TVのシェアが急激に拡大する他,リプレース市場においても,LCD-TVへの移行が進むとし,10年には,中国都市部における42型LCD-TVの普及率が42%になるとした。なお,Walmartが,05年のクリスマス商戦に向け32型LCD-TVを999ドルで発売すると語った。 以上のことを踏まえて,設備投資は,北京オリンピックが開催される08年まで堅調に拡大,その後,供給過剰などによる調整段階を経るものの10年までは伸びて行くとした。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用露光技術と装置
キヤノン販売 佐藤銀次郎氏

キヤノン販売 佐藤銀次郎氏
キヤノン販売 佐藤銀次郎氏

佐藤氏は,ミラープロジェクション技術を採用した第8世代対応機を紹介,同装置は850×1400mm2のロングマスクを使用して露光範囲とスキャン長を拡大,50型クラスの一括露光を可能にしている。さらに,第7世代以降の露光装置の開発課題に対して,(1)基板ステージの大型化に対しては,エアーガイド,バーミラー基板などの大型化,(2)ハンドリングに対しては,新規輸送系の導入,(3)装置の大型/重量化に対しては,分割輸送可能な構造体,客先組み立てで対応していくとした。 また,大型マスク/ミラ−および高輝度光源ランプの開発が必要であると語った。その他,マスクなど様々なコストが上昇していることも問題に挙げた。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用PE-CVD技術と装置
AKT Tak Tanaka氏

AKT Tak Tanaka氏
AKT Tak Tanaka氏

Tanaka氏は,大型化に伴う課題として,温度変化によるチャンバの伸びを考慮した成膜環境の設定,ガラス基板の位置合わせおよび割れの防止,ハンドリング用治具の設置位置と作業者の安全管理などを挙げた。特にチャンバの伸びによる上部/下部電極の平行度のバラつきおよび,下部電極温度の不均一性が,プラズマをチャンバの中心に集め,不均一な成膜形成を生じさせることを強調した。そのため,同社では,下部電極にプレートを挿入,また,上部電極の吊り方,表面状態を変更し,ガス噴射の均一性を向上させたチャンバを開発したと説明した。その結果,平行度を±1mm以内に抑え,10%以内の成膜誤差に向上させたと語った。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用スパッタ技術と装置
アルバック 森勝彦氏

アルバック 森勝彦氏
アルバック 森勝彦氏

森氏は,第7/8世代対応機においては,従来の装置システムである中心に搬送室を,周辺にスパッタ室などを設置したX方式から縦型枚葉方式へと変更していると説明した。同方式は,真空ロボットを排除,搬送系を簡素化し,装置を縦型に設置した他,AC放電を採用して大面積での安定放電を実現していると語った。 また,真空中キャリヤリターン方式およびカソードスライド方式を採用,第8世代対応機では,第6世代対応機に比べて20%の省スペース化を実現しているとした。今後は,第9世代対応機においても同方式を採用していくと述べた。

大画面薄型TV対応第7世代以降TFT-LCD用
レジストコータ&デベロッパ技術と装置
大日本スクリーン製造 川口靖弘氏

 大日本スクリーン製造 川口靖弘氏
大日本スクリーン製造
川口靖弘氏

川口氏は,同社が,第6世代対応のレジストコータからスリット方式を採用したと語った。理由として,従来のスリット&スピン方式では,レジストの 90%を高速回転によって無駄にすることに加え,基板の大型化により複数のスピンモータが必要になることなどを挙げた。スリット方式の採用により,レジスト消費量の削減,エネルギーの節約,低騒音化が実現された。 また,傾斜搬送の採用によって,洗浄機においてリンス使用量の削減,デベロッパ機においても現像液持ち出し量の低減が実現されたとした。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用洗浄技術と装置
芝浦メカトロニクス 廣瀬治道氏

 芝浦メカトロニクス 廣瀬治道氏
芝浦メカトロニクス 廣瀬治道氏

廣瀬氏は,基板大型化に対するウェット製造装置の基本コンセプトとして,液の流動・置換特性およびたわみの影響削減を特に強調して挙げた。従来の水平搬送プロセスでは,基板のたわみにより液溜りが生じ,新たな洗浄液が基板表面に到達しないなどの課題があった。そのため,傾斜搬送式プロセスを導入,液に動きを与えることにより置換性能が向上された。さらに,縦型搬送方式も導入,高速流速によりリンス性能,置換速度を大幅に向上した他,省スペースや,基板・加工点の目視が可能になったことに加え,安定した基板姿勢による搬送を実現したと語った。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用配向膜塗布技術と装置
ナカン 山下修氏

ナカン 山下修氏
ナカン 山下修氏

山下氏は,同社の配向膜塗布装置が,第6世代対応機より従来のテーブル移動式から配向膜用の印刷版がガラス上で自転して動く版胴移動式を採用していると語った。また,第6世代対応機以降は,版胴の重量が増すほど印刷の安定性が向上しており,世代が交代するごとに印刷性能が高まっていると説明した。そのため,大型TV用配向膜の量産には,インクジェット方式よりも印刷転写方式が優れていると語った。さらに,基板大型化により,配向膜の目視による検査が困難になっていることから,配向膜塗布システムには,検査機が必要な時代になったと説明した。今後,第 7,8世代から10世代と向かっていくにあたり,10−6程度の位置精度をどれだけのコストで実現できるかが問題になるとした。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT-LCD用ラビング技術と装置
常陽工学 長浜高四郎氏

 常陽工学 長浜高四郎氏
常陽工学 長浜高四郎氏

長浜氏は,ラビング装置が,TVの大型化という流れの中で,生き残っていけるのかどうかという状況下にあると語った。しかし,同社では,第8世代に向けた装置の話も進めているとした。同社の第7世代対応機は,ロール長3750mm,ロール径140mmで,テーブルとのギャップ±30μmを実現するため,ロールに従来のアルミではなく複合素材を採用し,軽量化と高剛性化を達成したと説明した。また,従来,ラビング布をテープから剥離する際に,大量のパーティクルが発生するなどの問題があったが,同社では,UV易剥離方法と部材を開発,ラビング布交換作業を容易にしたと語った。

大画面薄型TV対応第7世代以降TFT-LCD用
液晶滴下/真空貼り合せ技術と装置
日立インダストリイズ 平井明氏

 日立インダストリイズ 平井明氏
日立インダストリイズ 平井明氏

平井氏は,同社の真空貼り合わせ装置は,基板大型化に対応し,チャンバと分離した上下テーブル支持機構を採用,チャンバの変形に影響されずに,基板の位置決め貼り合せを可能にした他,チャンバ内のクリーン度を維持することができると説明した。 また,真空吸着を併用することにより,安定したハンドリングを可能にしているとした。さらに,液晶真空充填組立システムは,従来の液晶注入に比べて,注入時間を1/10以下に短縮できるのに加え,設備費を30%削減,液晶利用効率を40%向上できると説明した。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFT/CF検査・リペア装置技術と装置
ブイ・テクノロジー 大淵一人氏

 ブイ・テクノロジー 大淵一人氏
ブイ・テクノロジー 大淵一人氏

大淵氏は,大型パネルにおける問題として,1パネル当たりの欠陥率上昇を挙げ,第5世代基板以降,修正装置の出荷台数が顕著に増加していると話した。 また,同社の第7世代対応のCFパネル修正装置は,移動速度1500mm/ sec,高さ制御分解能0.1μm/pulse,研磨制度±0.3μmを実現,高さセンサを基板に接触させて計測する方式により,過研磨を防ぐことができると説明した。 さらに,UV硬化型のインクを使用し,20秒で50μm角程度のピンホールの色修正ができるとした。

大画面薄型TV対応第7世代以降
TFTパネル分断技術と装置
三星ダイヤモンド工業 岡嶋康智氏

 三星ダイヤモンド工業 岡嶋康智氏
三星ダイヤモンド工業
岡嶋康智氏

岡嶋氏は,同社の第6世代対応機が,基板からパネル単個を分断できるXYクロスカットを採用している他,上下同時スクライブ,非接触の熱応力ブレーク方式を採用しているのに加え,高浸透刃先を使用していると説明した。そのため,従来装置と比べ,省スペース化と低コスト化を実現できるとした。また,使用されている高浸透刃先は,ガラス基板に対して80%の垂直クラックを発生させることができるため,ブレーク時のガラス基板に対する負担を軽減できると指摘した。なお,第7世代以降の装置開発は,基本的に第6世代対応機と同じコンセプトで進めていくとした。