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| PenTile RGBW | RGB Stripe | |
ビジュアルな解像度 |
480×640(VGA) |
480×640(VGA) |
実効解像度(dpi) |
333 |
333 |
ソースドライバ数 |
960 |
1440 |
ゲートドライバ数 |
640 |
640 |
コントラスト比 |
300:1 |
200:1 |
透過率(%) |
8.1 |
4.0 |
推定輝度(Nit) |
200(4LED) |
200(8LED) |
1. ドライバ回路の内蔵
TFT-LCDパネルと駆動LSIとのインターコネクションの数を削減し信頼性を向上する目的で,コックピット用小型TFT-LCDのゲートドライバを内蔵したものは98年から実用化されている6)。その後,携帯機器用TFT-LCD用としても各社で開発実用化が進められてきた。例えばSamsung Electronicsは,ゲートドライバ回路内蔵モジュールとして03年に1.98型CIF,04年に2.0型QVGA,05年に2.6型VGA,06年に1.98型VGA(400ppi)を開発し,ICコストの削減とモジュールのコンパクト化を実現した。また同社は,パネルと駆動LSIの接続数削減のため,高信頼性a-Si TFTの生産技術と7個のTFTから構成される回路を開発した7)。ソースドライバに関しては,R,G,Bの信号を切り替えるセレクタ回路も内蔵されている。これらの技術を用いて,携帯機器用ディスプレイは勿論のこと,LCD-TV用に23型WXGAが開発された。同パネルはゲートドライバを内蔵するために外付けのドライバが不要であり,ソースドライバを従来技術では6個必要であった所を2個のみとし,コスト削減とモジュールのコンパクト化を実現した8)。

図1 容量検出式TPの概念図
2. In-Cellタッチパネル
タッチパネル(TP)はディスプレイの入力デバイスとして広く用いられている。入力方式としては,光学式,音響式,静電容量式,抵抗膜式,電磁誘導式などがあり,原理を異にした種々の方式が技術を競い,それぞれの特徴を生かして使い分けられている。小型LCDに搭載される抵抗膜式TPは軽薄短小に加え,破損しないことが課題である。一般に,TPはTFT-LCD上に配置されるため,モジュールの厚みが増すだけではなく,パネルの表示品位(コントラスト比,輝度など)の劣化を招く。しかも中小型TFT-LCDモジュールの額縁は,いかに狭く出来るかが重要な要求仕様になっているが,TPの外形寸法で律則されているのが現状である。これらの問題を解消する方法として,TPのIn-Cell化が提案されている9)。
Philips Reserch Laboratoriesは,SID'04でセル内に抵抗式のタッチスイッチを集積化したTFT-LCDを報告した。抵抗式スイッチに用いた構造は,セル内にセル厚に比べ小さい導電材料がコートされた球状スペーサによるものと,フォトリソ技術で対向基板上にITOをコートした突起によるものである。スイッチの感度を高めるには,対向基板の厚みを薄くする必要がある。
Planar Systemsは,a-Siフォトトランジスタ(TFT)による60×60アレイを集積化した2.4インチ×2.4インチの光学式タッチスクリーン付きa-Si TFT-LCDをSID'03で発表した。このデバイスの構造およびプロセスはa-Si TFT-LCDと基本的には相違なく,4〜6枚マスクでフォトトランジスタと読込み用の配線が追加されたものである。このタッチスクリーンは,周囲光が50〜50000luxの条件下で指もしくはスタイラスの入力で動作する。また,同社がSID'04で発表した14.1型XGAパネルに集積されている光学式タッチセンサは,256×192の素子(ピッチ1.116mm)で構成されている。しかし,いずれも実用化には至っていない。
SID'07でSamsung Electronicsから光学式と容量式のTPの提案があった7)。光学式は反射モードとシャドウモードで入力を検出する方式で,反射モードはBLUからの反射光により指の位置を検出する。一方,シャドウモードは指で生じた影を検出するもので,屋外などの明るい環境下で用いる。
携帯機器用ディスプレイの使用環境は,暗闇(1lux)から直射日光下(100万lux)の全天候対応が要求される。したがって,この領域を高感度で検出できるセンサの実現は大きな課題である。対策として,画素に対してセンサを2〜4個で構成することが考えられるが,この方法では開口率が減少する。また,アナログ信号をデジタル信号に変換する回路(AD変換回路)および位置検出信号の二次元画像処理回路が必要であり,これらはモジュールの消費電力の増加とハードのコストアップにつながる。
容量式は光学式の課題を解消する目的で開発されている10)。容量式は,LCDパネルに接触することで液晶の容量変化を検出する。試作した容量ラインセンサは縦30,横40である。光学式の場合開口率の減少が15〜20%と大きいが,容量式の場合は7〜8%と小さい。容量式TPの概念図を図1に示す。このTPを2.45型QVGA TFT-LCDに適用し,従来タイプ(抵抗式)との比較を行った。その結果を表2に示す。表から,従来方式に比べ光学特性および機械的特性のいずれの特性も開発品が優れていることが分かる。
表2 容量式In-Cell TPと従来式TP付きTFT-LCDの特性比較
| 開発品 | 従来品 | |
TP方式 |
容量 |
抵抗 |
コントラスト比 |
600:1 |
500:1 |
輝度(Nit) |
220 |
170 |
表面反射率(%) |
<1 |
5 |
外形寸法(mm) |
41.8×57.2 |
44.2×59.6 |
モジュール厚(mm) |
2.4 |
3.3 |
重量(g) |
30 |
45 |
3. フォトセンサによるBLUの制御
モバイル用TFT-LCDモジュールの消費電力は,BLUが90〜95%を占める。モバイル用TFT-LCDモジュールの消費電力の削減は,周囲環境に応じていかにBLUを制御するかにかかっている。そこでTFT-LCDにフォトセンサを内蔵し,BLUの電流を制御する提案が行なわれている。ここでは,SID'07でのSamsung Electronicsの発表を紹介する7)。a-Siフォトセンサの光感度はpoly-Siに比べ大きいので,センサの面積を小さくできるメリットがある。センサの光電流は,5luxで0.45nA,500luxで1.2nAである。この電流レベルでは小さいので,増幅しデジタル信号に変換する。デジタル信号はLEDに伝送され,BLUを制御し調光する。周囲光とBLUの電力,電流の関係を表3に示す。
VGAパネルの消費電力は,BLUが95%で残り5%はパネルとICである。これらを削減するために,ゲートおよびソースバス抵抗と容量を削減しパネルの負荷を軽くする。これらの結果から,モジュールの消費電力のロードマップとして,06年に45mW,07年に33mW,08年に25mW,09年に21mWがターゲットとなっている。
4. 画像認識によるBLUの電力削減
前述のように,消費電力を抑えるために暗い画像を表示する時にはBLUの光量を絞るという方法がある。しかし,単純にBLUの輝度を調光するだけでは表示される画像そのものが暗くなってしまい,画質の美しさが損なわれることが課題だった。
NECエレクトロニクスは,TFT-LCDに表示する画像を認識し,データ補正およびBLUの調光を実行する技術を開発した11)。この技術は「Mobile AGCPS(Auto Gamma Control and Power Saving)」と呼ばれるもので,表示画質を維持しながらTFT-LCDモジュールの消費電力を最大50%低減できる。この技術をドライバICに実装することにより,システム構成によっては変更を伴わずに画質維持,低消費電力化を両立できる。電池の消耗が問題となりがちなワンセグ視聴機能付き携帯電話機向けにソースドライバを市販する。
表3 フォトセンサによるBLU輝度の調光
| レベル | 1 | >>> | >>>>> | 256 |
周囲光(lux) |
0〜40 |
50〜500 |
500〜5000 |
5000〜 |
BLU(mW) |
0.5 |
4.75 |
14.5 |
48 |
電流(mA) |
0.2 |
1.9 |
5.8 |
19.4 |
「a-Si TFT-LCDのデバイス技術動向−新技術の実用化と高付加価値化−」と題して,高精細化,広色域化,高付加価値化および低消費電力化に関して最近の技術動向を述べた。ここで紹介した技術は,開発中もしくは実用化されたものである。これらの技術が融合された暁には,LTPS TFT-LCD技術の大きな脅威となるであろう。ビジネス面から考えると,先進技術のみでは市場は付加価値を認めにくい。a-Si TFT-LCDメーカーは,すでに償却が終わったラインを用いて生産しているところが多い。従って,これらのメーカーはパネルコスト面で優位であり,LTPS TFT-LCDメーカーにとってはコスト競争力のある差異化技術でいかに対応できるかが重要となっている。
〈参考文献〉
1)K.Kamiya, et al.,:SID 1998 Digest pp.455-458(1998)
2)カシオ計算機 プレスリリース(2004)
3)宮下崇:図解 電子ディスプレイのすべて pp.32-35 工業調査会(2006)
4)Clairvoyante プレスリリース(2005)
5)小間徳夫:図解 電子ディスプレイのすべて pp.28-31 工業調査会(2006)
6)H.Lebrun, et al.,:SID 2005 Digest pp.950-953(2005)
7)M.-K.Kang, et a,:SID 2007 Digest pp.1262-1265(2007)
8)S.H.Moon, et al.,:SID'07 Digest pp.1478-1481(2007)
9)鵜飼育弘:低温ポリSi TFT-LCD技術 EDリサーチpp.99-103(2005)
10)J.Lee, et al.,:SID 2007 Digest pp.1101-1104(2007)
11)NECエレクトロニクス プレスリリース(2007)